次元堂

思い込みで数学してます

オープンウォータースイミングと統計 第二話

「ひめじ家島OWS」は瀬戸内海の播磨灘に浮かぶ家島群島で行われます。
家島群島の中の男鹿島と家島の間の海3.2kmをワンウェイで泳ぐ大会です。
2017年の男子3.2kmは300人がゴールすることができました。
この300人のゴールタイムを統計処理して、その後ろに隠れているドラマを探し出します。

男子3.2kmは4種目(年齢区分)に分かれています。
高校生~39歳 完泳;75名
40~49歳   完泳;100名
50~59歳   完泳;77名
60歳~    完泳;48名

40~49歳と50~59歳は年齢幅が10歳です。
60歳~は理屈的には100歳でも110歳でも参加できます。
実際は80歳代の方が一人いらっしゃったはずです。
高校生~39歳は15歳~39歳で15歳幅です。
40~49歳に比べてやけに少ないというのが感想です。
学生は趣味で水泳ってわけにもいかないのかもしれませんね。
参加費や交通費、宿泊費、日々の練習(プールの確保)などなど結構入用ですから。
私の場合、30才を過ぎてからプールでまともに泳げるようになりました。
初めてOWSに参加したのは40才代になってからです。

ゴールタイムと順位を種目別および総合でグラフにしました。

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ゴールタイムと順位

総合の150位(中央)のゴールタイムが約60分です。
各種目トップのタイムは年代が若くなると早くなっています。
高校生~39歳は現役選手も含まれている種目です。
この年代が早いのは納得です。

次に順位を規格化してみました。
各種目間の分布が見やすくなったでしょ?

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ゴールタイムと順位(規格化)

各種目の分布形状を比較してみると、40~49歳,50~59歳,60歳~,の3種目はよく似ています。
ところが高校生~39歳は図中Aの部分が早いゴールタイムにシフトしています。
このシフトこそが現役選手が頑張っている姿なんだろうと見ています。
40~49歳,50~59歳,60歳~はほぼほぼ趣味で泳いでいる人たちの集団です。
趣味で泳いでいる以上、がむしゃらにタイムを縮めようとはしません。
各自が自分の目標とするタイムをクリアできるように全体の泳ぎをコントロールしています。
その姿がゴールタイムに特別なシフトのないノーマルな分布を作っているように思います。

各種目の順位0.5(中央)のゴールタイムを抜き出してみました。
高校生~39歳 0:54:45
40~49歳   0:57:50
50~59歳   1:02:00
60歳~    1:05:06
総合     1:00:47

年代が1つ上がると順位0.5は3から4分程度遅くなります。
距離に直すと、1分あたり50mですから、3分は150m、4分は200mとなります。
年齢のせいで遅くなったというのは事実でしょう。
でも、泳いでる者としては、「幾つになっても結構泳げるじゃん」って感じです。
60歳~は私たちの希望なのです。

つづく