素数ゼミとは北米大陸にいる蝉のことで、17年周期で代替わりを行う蝉と、13年周期で代替わりする蝉のことである。
これらの蝉が、毎年17年周期、13年周期で成虫になるのなら何の話題にもならないのであるが、そうではないらしい。
日本の蝉も数年ほど地中で暮らしていてから出てくるのである。
例えば、5年周期で代替わりしていたとしても、それが毎年行われているのであるから、何の不思議も感じないのである。
Wikipediaによると、17年周期の蝉の内、残っているのは12グループ、13年周期は3グループだそうである。
なぜ17年、13年という素数になるのかというと、公約数の数が少ない(素数の公約数は自身と1のみである)為という説が有力だそうである。
異なる周期の蝉との交雑によって周期が乱れることによる希釈効果のため13と17が残ったと説明されている。
この話に対して、2つの疑問がある。
一つ目は、「交雑によって周期が乱れる」という部分である。
すべての周期の全てのグループが周期に従って成虫になり、代替わりしたとしたら、そして交雑によって周期が乱れたとしたら、それは日本の蝉と同じ状況になるだけではないか。
それとも、日本の蝉も将来3年ゼミ、5年ゼミになるのであろうか?そのような兆候があるのであろうか?
二つ目は、「希釈効果」である。
希釈効果とは、もともと周期はバラバラであったがそれが、17年と13年に集約(進化?)したということを説明するために使われている。
一般に進化の方向は「特殊」から「一般」である。
食物のある成分が毒として作用する動物がいたとする。彼は、その食物を食べることはできない。
ところが、突然変異により、その毒を感じない子供が生まれたとしよう、彼は今まで食べることができなかった食物を食べることができるようになり、繁殖範囲を広げることができるのである。
このように特殊なものしか食べられない者から、一般のものを食べるような進化が起こるのである。
蝉で考えるなら、素数ゼミは「特殊」である。日本の蝉は「一般」である。
素数ゼミは古い形態を残しているのではないだろうか。
なぜ素数なのかはわからないが、最初はすべての蝉が17年周期を固く守っていたのではないであろうか?
進化によって、13年蝉がうまれ、さらに周期を気にしない日本の蝉のような者が生まれたのではないか?
2020年、COVID-19が猛威を振るった年、進化はウイルスによって促進されるそうである。
おわり